Apple アップデート

Appleは、2023年6月5日(月)に行われた開発者向け会議「WWDC2023」において、プライバシーとセキュリティを中心に新機能を発表しました。これらはSafariブラウザのプライベートブラウジング、コミュニケーションの安全性、ロックダウンモードの大幅なアップデートなどが含まれています。以下、主な機能について解説します。

 

Safariの進化

Safariは、トラッキング防止とデバイスフィンガープリント保護が強化され、ユーザーのデバイスへの不正アクセスを防ぐ新技術が追加されました。また、プライベートブラウズのウィンドウは、使用していない時に自動的にロックされ、Touch IDまたはパスワードでのみアンロックできるようになります。

写真のプライバシー強化

Apple アップデート

Appleは新しい写真ピッカーを導入しました。これにより、アプリがユーザーの写真ライブラリにアクセスする際に、共有される情報に関する詳細な情報が表示されます。これでユーザーは、どの写真を共有するかを制御し、プライバシーを保護できます。

また、アプリがユーザーの写真ライブラリ全体へのアクセスを求めると、何が共有されるかについての詳しい情報が表示され、ユーザーが選択した内容に関するリマインダーが時折表示されます。

送信リンクの追加情報削除

ユーザーがメッセージやメールでリンクを共有する際、それらのリンクからユーザー追跡情報を削除する機能が追加されました。これにより、プライバシーが保たれ、リンク共有がより安全になります。

開発者向けプライバシーツール

デベロッパーは、新しいツールを使用して、自分のアプリに組み込まれたソフトウェア開発キット(SDK)のデータ取り扱いを詳しく知ることができます。これにより、正確なプライバシーラベルを提供し、ソフトウェアサプライチェーンの保護を強化できます。

コミュニケーションの安全性の向上

Apple アップデート

Appleは、AirDrop、連絡先ポスター、FaceTimeなどのコミュニケーションツールに対してもセキュリティを強化しました。エンドツーエンド暗号化が更に強化され、メッセージの内容が、送信者と受信者以外の第三者には読まれないようになっています。また、Appleは子供の安全を重視し、不適切なコンテンツをフィルタリングするオプションを親に提供しています。

ロックダウンモードの強化

Apple アップデート

ロックダウンモードにもアップデートが行われ、さらなる保護機能が提供されます。デバイスが紛失したり盗難に遭ったりした際に、ユーザーがデータを遠隔で保護するのを助けます。

より安全なワイヤレス接続のデフォルト、メディアの取り扱い、メディア共有のデフォルト、サンドボックス化、およびネットワークセキュリティの最適化が行われます。

また、watchOSがロックダウンモードに対応するようになります。

パスワードとパスキーのアップデート

Apple アップデート

パスワードとパスキーの共有をより簡単に、より安全にするために、ユーザーはパスワード一式を共有するグループを作成でき、そのグループの全員がパスワードを追加および編集して最新の状態に保てます。iCloudキーチェーンを通じて共有されるため、エンドツーエンドで暗号化されます。

また、メールで受信した一度限りの認証コードをSafariで自動入力できるようになり、ブラウザを離れることなくログインできるようになります。

安否確認機能

Appleは「安否確認」機能を導入しました。ユーザーはこの機能を有効にすると、目的地に無事に到着したことを友人や家族に自動で通知できます。また、何らかの理由でユーザーが予定のルートから逸脱した場合、この機能はユーザーに確認を求め、返答がない場合は、選択した連絡先に位置情報やバッテリー残量などの重要な情報を送信します。安否確認は、ユーザーのプライバシーを尊重し、目的地や情報を共有する相手を選択できます。また、送信される情報はエンドツーエンド暗号化され、Appleや第三者にはアクセスできません。

NameDropを活用した新しいAirDrop体験

新しい「NameDrop」機能では、ユーザーがiPhoneを近づけるだけで、簡単に連絡先情報を共有できます。ユーザーは、共有する情報をカスタマイズでき、不要な情報は非表示にすることができます。Apple Watchでも、連絡先アプリ内の「マイカード」を使用してNameDropを利用できます。この機能は、暗号化された接続を介して、安全にデータを共有します。

ライブ留守番電話

Appleの新しい「ライブ留守番電話」機能は、着信時に相手のメッセージをリアルタイムでテキスト表示します。これにより、ユーザーは電話を取るかどうかを即座に判断できます。また、「不明な発信者を消音」オプションを利用すると、不明な番号からの着信はライブ留守番電話に直接ルーティングされ、着信音が鳴らなくなります。さらに、通信事業者が迷惑電話としてマークした番号からの着信は自動的に拒否されます。この機能はデバイス上で完全に処理され、情報はAppleと共有されません。

これらの機能は、今秋にリリースされる無料のソフトウェアアップデートで利用可能になる予定です。