プログラミング教育が必修科目となり、GIGAスクール構想で小中学生に対して「一人一台端末」の整備が進んでいます。
そうした教育を受ける子どもたちには、今の大人とは比べ物にならないほどコンピュータを使いこなすようになるはず。
そんな子どもたちを見て「何十年遅れだけど、プログラミングを始めてみようかな」と考えている大人もいるのではないでしょうか。
でも、どこから何に手をつければいいのやら……? そんな大人にぴったりなのが、Appleの無料プログラミング入門アプリ「Swift Playgrounds」です。
- そもそもプログラミングって何?
- Mac/iPadを持っているなら、Swift Playgroundsが使える!
- いざ!Swift Playgroundsに挑戦
- どうやって学習を進めればいい?迷ったらブックを活用しよう
プログラミングって何?この夏は苦手意識を克服しよう
プログラミングが小学校で必修科目となったのは昨年、2020年のこと。
具体的なカリキュラムは都道府県や学校によって異なりますが、保護者世代にしてみれば、自分達が小学生だった頃にはない授業であり、まだまだピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
プログラミングの必修化の目的は、デジタルデバイス使うスキルを身につけるのはもちろん、物事を論理的に考える、つまり順序立てて考え・試行錯誤し・問題を解決する力を養うためといわれています。
「子どもからプログラミングについて質問されたら困るな」とこっそり思っていたり、大人になった今からでも論理的思考を身につけてみたいと考える方も大勢いるのではないでしょうか。
とはいえ、何から始めればいいのかがわからない人もいることでしょう。
プログラミング教室、オンライン授業、書籍で独学……様々な学習方法がありますが、MacやiPadをお持ちであれば、プログラミングのイロハをすぐに始められることをご存じですか?
その方法が「Swift Playgrounds」というアプリです。
Mac/iPadを持っているなら、Swift Playgroundsが使える!
Swift Playgroundsは、Appleのプログラミング入門アプリで、Mac版/iPad版があります。
アプリ名に含まれる「Swift」はAppleが開発したmacOSやiPadOSで利用できるプログラミング言語で、世界中のプログラマーがSwiftを使って、ゲームからビジネスアプリまでさまざまなソフトウェアを開発しています。
そしてSwift Playgroundsの最新のアップデートではついに、そのままApp Storeに公開が可能になりました。※公開にはApp Developer Program (年会費あり)への事前登録等の手続きは必要です。
つまり、例えばiPadのSwift Playgrounds上であなたが作ったアプリケーションをそのまま世界中へ公開することができるようになったのです!
初心者向けの他のプログラミング言語やそのツールでも、やり方によってはアプリケーションとして公開し商業化することもできますが、初心者には高いハードルが待ち受けています。ここまでスムーズに行えるのはSwiftだけです。
これだけを聞くと「初心者がそんな本格的なモノに手を出して理解できるの?」と不安に思われるかもしれません。
大丈夫です。
今日ご紹介するSwift Playgroundsは、これからSwiftを勉強したり、プログラミングの概念を知りたい方向けて、それらの解説と実習課題をAppleが用意したものです。
ゲーム感覚で始めるプログラミングで、本当にゲームを作って世界中に公開したり。取り組むユーザーのレベルに応じて、入門から本格的な開発まで段階的にプログラミング学習を進めることができます。
アプリケーションの紹介文では対象年齢12才以上となっていますが、小学校中学年以上ならばそれほど困ることなく取り組める内容になっています。
のちほど操作画面も紹介しますが、非常にユーザーフレンドリーでとっつきやすくなっています。
Apple Storeで開催される参加型セッション、Today@Appleのカリキュラムにも取り入れらています。1時間ほどのセッションを受けた人からは「ゲームみたいな感覚でプログラミングを覚えられる」と言われたりしている人気コンテンツです。
いざ!Swift Playgroundsに挑戦
まずは最初の一歩!App Storeからインストールしてみましょう。
こちらからSwift PlaygroundsのApp Storeのダウンロードページにアクセスできます。Apple IDさえ持っていれば、インストールは簡単です。
※2021年12月現在、macOSの互換性はmacOS 11.5以降/iPad OSの互換性はiPad OS 15.2以降となっています。
白い背景にオレンジ色の鳥のマークのアイコン、これがSwift Playgroundsアプリです。
では早速、Swift Playgroundsを起動してみましょう。
起動すると表示される「マイプレイグランド」に自分が勉強中のコンテンツが表示されます。
右下にある「すべてを見る」からコンテンツを追加できます。
※コンテンツは、初級/中級/高度、レベル表示を参考に挑戦するのがよいでしょう。
ここでは基礎となる「コードを学ぼう」シリーズ「コードを学ぼう1」からスタート。
選択していざ、Swift Playgroundsの世界へ!
導入は、技術的ではない一般的な話からやさしく説明が始まります。
導入が終わると、コード学習の基本的な画面が表示されます。
この画面の左側には、目標(課題)と説明が書かれており、その下がコードを入力するエリアです。
そのエリアを一押しすると、画面下部に利用できるコマンドが表示されますので、選ぶとコードが追加されます。ゼロから入力する必要はナシ、操作も簡単で一安心です。
右側は3D空間にステージとキャラクターが配置されたグラフィックが表示されています。
このゲーム画面のようなグラフィックでは、拡大・縮小、多方面から見るためにぐるっと回転させることもできます。
とてもシンプルな見た目で子ども向け知育ゲームのようですが、当然ながらコードをきちんと入力しないとキャラクターは期待どおりには動いてくれません。
まずは失敗を恐れず、ガイドに従って進めていきましょう。
「コードを実行」をタップすると、入力した内容を元にキャラクターが動き出します。
もし入力したコードが間違っていたらどうなるのでしょう。
大丈夫、アプリケーションが壊れることはありませんし、ゲームオーバーもありません。
その代わりにキャラクターが首をかしげたり、困っている効果音が鳴ります。コードを修正して何度も挑戦しましょう。行き詰まったら、アプリ内の右下にある「ヒント」を使ってみるといいですよ。
おめでとう!課題をクリアすると、キャラクターが飛び跳ねて喜んでくれます。
このように、シンプルに段階を踏みながら少しずつコードの書き方やルールを覚えていきます。
序盤のステップは簡単ですが、進むにつれ「関数」「forループ」「変数」といったコードが登場し、徐々に難易度が上がっていきます。
進むにつれ難しくなっていきますが、これらはSwift特有のコードやテクニックではなく、全てのプログラミングで必要になる知識です。ここが初心者のプログラミング学習の最初の壁ですから、粘り強く学んでいきましょう!
「コードを学ぼう1」が終わる頃には、きっとプログラミングの世界の住人になっているはずです。日常生活でも自然に論理的な思考が身についていることでしょう。
どうやって学習を進めればいい?迷ったらブックを活用しよう
さて、無料でもうひとつご紹介しておきたいのが「Everyone Can Code」シリーズのブック。
これも無料で使うのがもったいないほどのコンテンツ内容となっています。
ブックアプリでダウンロードすることができ、生徒向けのブック・それと対になる「教師用ガイド」がリリースされています。
大人が取り組むならば「Everyone Can Codeパズル:教師用ガイド」をダウンロードするとよいでしょう。各コンテンツの解説や学習目的、アクティビティの取り組みなどが紹介されています。
「身近な例から考え、プログラミングの新しい概念を実践したり、理解したことを応用し、プログラミングが自分たちの生活にどのような影響を与えているのかを、クリチティブな方法で表現できるようデザインされています。」(生徒用ガイドの「このブックについて」より)
このブックの優れているところは、ただの解説書や教科書ではないところです。プログラミングの概念を日常生活に置き換えて説明したり、アクティビティが用意されていたり。楽しみながら理解を深めていける、インタラクティブなブックになっています。
生徒用でも112ページ、教師用も224ページの圧巻のボリューム!
巷でSwift Playgroundsの解説本はほとんど見かけません。
Appleがこれだけのブックを無料提供しているのですから、十分なのかもしれません。
今回紹介しました、Appleが提供する、無料で学んで・使えるSwift Playgroundsシリーズ。
無料の上、充実のガイドブックもあるなんて、本当にお得なプログラミング教材だと思います。
MacやiPadのユーザーでプログラミングを始めてみたい人は、ぜひ試してみてください!