未来を見るイベント、万国博覧会。今年2025年4月13日から大阪・関西万博2025が開催されました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。その開催初日に、一来場者として万博へ訪れた当サイト編集者・中筋がその様子をお伝えします。
結論から申し上げますと、「行ってよかった」と思える一日でした。とはいえ、開催初日ならではの課題や混乱も随所に見られましたので、良かった点・気になった点の両方を冷静に振り返っていきます。
動線に翻弄された朝
まず大前提となる当日の天候について説明します。この日は午前は曇り時々雨で比較的快適だったのですが、午後には雨も風も強まって体感的には気温10度ぐらいじゃないかと思えるほど、かなり冷え込みました。海に囲まれた会場ということもあり、天候が崩れるとかなり厳しい環境になることを実感しました。多くの人が指摘しているように課題が見られました。とはいえ、天気の悪いことは仕方がないと思います。

さて次は、万博会場入場とアクセスについて。入場については時間指定の予約が取れます。予約なしの人は、混雑している場合は未予約来場者枠の列に並ぶことになるそうです。私は「9時入場・東ゲート」で予約をしていたのですが、JR桜島駅から乗ったシャトルバスはどちらのゲートに行くかの表記がなかったのに、実際は西ゲート直行でした。西ゲートに着くと、西ゲートから東ゲートへの移動はできないとのことで少し焦る展開になりました。
結果として、「9時入場・東ゲート」の予約で、西ゲートから予約有りの列で入場できたので大きな問題にはなりませんでした。しかし、予約でのゲートの指定は意味がないのか、初日だけの例外措置なのかは不明です。アクセス情報について、電車やバスがどこに着くのか、ゲート間の動線の案内があるのかなど改善の余地があると感じました。
何事も「予約」が大事
今回、「行列のない万博」を掲げているようですが、実際にはかなりの行列が発生していました。初日で注目度が高かったとはいえ、今後に向けた調整の余地はある気がしました。今後も混雑する日に万博へ行く場合、オンラインでの予約やアプリの活用は必須事項だと実感しました。
基本的に会場内のパビリオンの多くは事前予約が推奨・必須になっており、予約なしで回ろうとしても、かなり動きが制限されます。一部のパビリオンは予約なしでも入場可能でしたが、初日はどこも長蛇の列でした。
オンラインでの万博のチケット購入、来場予約、パビリオンやイベントの予約は、公式サイトか、「EXPO 2025 Visitor」アプリから行います。パビリオンは、当日に予約できる仕組みもあるので会場内でもチェックしてみるといいでしょう。
また、帰宅後に存在を知ったのですが、「EXPO2025 Personal Agent」という公式アプリがあります。アプリ内で予約と場内マップなどが連携するらしく、これを使っていればもっと効率的に回れたかもしれません。事前に調べておけばよかったと反省しています。
ちなみに、会場内で無料配布される紙の地図はありません。紙の地図は200円で販売されているとのことですが、会場内で売っている場所は決まっているようで手軽に入手できなさそうです。なお、万博会場内はキャッシュレス決済のみで現金は使えません。
「EXPO2025 Personal Agent」アプリやPDF版地図をスマホにダウンロードしておくか、プリントアウトしておくことをおすすめします。
多くの万博来場者が指摘していますが、スマホの充電が切れると予約や地図の確認、決済などにかなり困ることになります。なので、予備バッテリーは必須です。余裕があれば2つ目の予備バッテリーも持っていくようにしましょう。当日、私は、15Whほどの普段使いしているバッテリーに加えて、80Wh以上の大容量バッテリー(そこそこ重たいのですが)を持ち歩きました。やはり小さいバッテリーは使い切ったので、2つ持ってきて安心でした。
結局、開催初日に私が入ることができたパビリオンは以下の3つです。
- 飯田グループ×大阪公立大学共同出展館
- 未来の都市
- ハンガリーパビリオン
比較してお伝えするほどパビリオンを体験できていなく、ネタバレになるのであまり内容には触れませんが、印象的だったのはハンガリーパビリオンです。
写真は、上から「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」の外観、「未来の都市」の中にあった映像ブース、「ハンガリーパビリオン」のガラス工芸です。
食事と買い物
「天下の台所」大阪の万博というだけあって、会場を回っているとグルメに力が入っていて、関西および世界のさまざまなフードが提供されているようです。ただ、こちらも初日は天候不良で行き場を失った人たちが雨風を凌ぐ場所として店舗に集まった結果、大変な行列で食の体験も限定的にならざるを得ませんでした。
そんな中、私は、フードコート「大阪のれんめぐり」を予約して2回利用しました。必要ないかも思いつつ事前に有料(1席あたり50分500円)の席を予約をしていたのですが、想像していた以上に価値がありました。というのも、食事の席を予約するだけでなく、フードコート内の各店の注文を一般の行列と別に並んで貯めむことができる「Fast Pass」の権利も付いてきたからです。混雑する中で待ち時間短縮に役立ちました。ただ、気になったのは、フードコートの有料席の管理。本来は予約制のはずが、予約していない人たちが座ってしまっている場面が多く見られ、スタッフも対応に苦慮しているようでした。
フードコートやレストラン以外に、会場内にはキッチンカーがいろいろなところに配置されています。ちょっとした軽食ならこれで済ますのもありですが、初日はこちらも行列ができていました。
買い物については、お土産を買うのは、オフィシャルストアがいいでしょう。お菓子やタオル、公式キャラクターみゃくみゃくをはじめとするキャラクターグッズなどがありました。私は、民芸風みゃくみゃくグッズが気に入りました。
ほかにも会場内には車両タイプのグッズ販売所があり、パビリオンの限定公式グッズなどを扱っているようでした。
さきほども書きましたが、食事も買い物もキャッシュレス決済のみの対応で現金は使えないので注意が必要です。
初日訪問のワケ
私が開幕初日の万博行きにこだわった最大の理由は、「Adoオープニングスペシャルライブ」でした。このイベントが発表された時から狙って、初日入場の予約をし、今年2月の抽選応募をしたところ、ラッキーなことに当選しました。
ライブが行われた場所は、万博会場の西側にあるスペース「EXPOアリーナ Matsuri」。このスペースへの入場は、ローソンチケットによる事前予約と電子チケットアプリが必要でした。指定された集合時間から1時間待って入場しましたが、ライブ会場自体が運営実績ゼロの場所のことを考えるとスムーズな運営だったと思います。
ライブ開始時刻は午後7時45分で、日も暮れて寒かったのですが、演奏が始まれば寒さなんて関係なし。ライブは撮影禁止でしたので写真などはありませんが、Adoさんは、誰もが知っている曲を次々を歌ってくれて控えめに言って最高でした。あの檻(?)の中でダンスするシルエットが印象的でした。
イベントで言うと、スペシャルライブの入場待機中に、会場内での別イベントであるドローンショーを遠くに見ることができました。
また会場を後にして帰りのシャトルバスを待っている時には花火も打ち上がるなど、予想していなかった演出も楽しめました。
イベントに直接参加しなくても、こうした“体験の重なり”で満足感が得られるのは、万博ならではの良さだと思います。
今後に期待しつつ、準備を整えて訪れるべき場所
お伝えしている通り、初日はあいにくの天候や混乱もありましたが、それを差し引いても今後に向けたポテンシャルの高さを感じました。何より、案内係や警備、パビリオンのスタッフの皆さんなど、ちょっと道などを質問してもその対応が丁寧で、訪問者を温かく迎えようという姿勢が印象的でした。
過去の万博などの話を聞くと、未来の技術や遠い国の暮らしなどが垣間見えてワクワクするもののようですが、初日1日だけではそういった感覚には正直至りませんでした。
でも他の人の投稿やレポートなどを見ていると、体験しきれなかったパビリオンやフードがはやりかなりあるので、もう一度行ってみたい気持ちになっています。
次回は天気の良くて空いていそうな日に、もう少し計画的に回ってみたいと思います。これから訪れる方には、事前予約・アプリ活用・アクセス経路の確認の3点を強くおすすめします。
大阪・関西万博2025 公式サイト
https://www.expo2025.or.jp
公式アプリ「EXPO 2025 Visitor」
https://www.expo2025.or.jp/visitorsapp/
シャトルバス予約 KANSAI MaaS
https://app.kansai-maas.jp/
場内案内アプリ「EXPO2025 Personal Agent」
https://www.expo2025.or.jp/future-index/digital/personalagent/
※このアプリは筆者は実際会場で試してないですが、これがあったら便利だろうなと思いました。
フードコート「大阪のれんめぐり」の予約
https://www.shirohato.com/expo2025/osakanorenmeguriexpo2025/