Appleは、iPhoneでのマイナンバーカードの提供を開始しました。
これにより日本国内のユーザーは、自身のマイナンバーカードをAppleウォレットに追加し、対面や一部のiOSアプリ上で提示することが可能になります。
Appleがウォレットの身分証明書機能を米国外に提供するのは、日本が初めての事例です。
この機能により、物理的なカードを取り出したり、暗証番号を毎回入力する必要がなくなり、より簡単かつ安全に身分証明ができるようになります。
たとえば、ユーザーはiPhoneを使って、コンビニエンスストアでの公的証明書の発行や、「マイナポータル」へのアクセスなど、行政サービスをスムーズに利用できるようになります。
利用方法と認証手順
iPhoneにマイナンバーカードを追加するには、最新バージョンの「マイナポータル」アプリを起動し、「追加を始める」を選択します。
続いて、ユーザーの顔とマイナンバーカードの顔写真を照合するステップが行われ、一連の顔や頭の動きを完了する必要があります。
その後、マイナンバーカードに紐付けられた暗証番号とパスワードを送信し、本人確認を行います。
本人確認が完了すると、iPhoneにマイナンバーカードをかざすことでウォレットへの追加が完了します。
提示方法はシンプルで、対面での利用時にはサイドボタンをダブルクリックするか、Appleウォレットを開いてマイナンバーカードを選択し、Face IDまたはTouch IDで認証した上で、IDカードリーダーにiPhoneをかざします。
アプリやウェブ上での提示時には、画面上で共有される情報を確認し、サイドボタンのダブルクリックと生体認証で承認できます。
今後の展開と対応予定
サービス開始時点では、公的証明書の発行やマイナポータルへのアクセスに対応していますが、今後は病院や薬局でのマイナ保険証としての利用にも対応予定とされています。
セキュリティとプライバシーへの配慮
Appleは、ユーザーが自身の情報をコントロールできるよう製品を設計しています。
Appleウォレットに追加されたマイナンバーカードに関する提示履歴は暗号化され、デバイス上にのみ保存されます。
Appleが情報の提示日時や場所などを把握することはありません。
万一、iPhoneを紛失した場合でも、「探す」アプリを利用してデバイスをロックしたり、位置の特定やリモートからのデータ消去が可能です。
また、この機能は、モバイルIDに関する国際規格であるISO 18013-5シリーズおよびISO 23220シリーズに準拠しており、高いプライバシー保護とセキュリティを両立しています。